【飲食店の事業譲渡・代替わり】親族や第三者へお店を譲る方へ。「営業許可の承継」の正しい知識と対策

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「そろそろ引退したいが、子供は継がない。店を誰か他の人に譲りたい」 「初期費用を抑えて、既存の店舗を居抜きで引き継いで独立したい」

飲食業界で深刻化する後継者不足。最近では、親族だけでなく、お店のファンや従業員、あるいは全くの第三者へお店を譲る「事業譲渡」や「居抜きでの引き継ぎ」が増えています。

しかし、お店を引き継ぐ際に必ず直面するのが「保健所の営業許可」の問題です。 「名義変更なんて、保健所に行って新しいオーナーの名前に書き換えてもらうだけでしょ?」と思っていると、思わぬ落とし穴にはまることになります。

毎日厨房に立ち、食品衛生指導員として地域の飲食店の衛生管理にも携わる実務家の視点から、お店を譲る際に絶対に知っておくべき「営業許可の承継」の正しい知識をお伝えします。

「とりあえず新規で取り直す」ことのデメリット

お店を他人に譲る際、手続きがよくわからないからと「現在の許可を一度廃業し、新しいオーナー名義で新規申請をする」という方法をとる方がいます。

しかし、新規申請となると、「現在の厳しい施設基準」を満たしているか、保健所による事前の確認が必要になります。 例えば、HACCPの制度化などに伴い、昔の基準で許可を取ったお店に対しては以下のような指導が入ることがあります。

  • 「手洗い場をセンサー式(またはレバー式)に変更してください」
  • 「厨房と客席の間の区画を明確にしてください」

これらをクリアしなければ新しい許可が下りず、その間はお店の営業をストップしなければなりません。設備改修のために数万円〜数十万円の想定外の出費が発生し、開業スケジュールが大幅に遅れてしまうケースもあります。

営業を止めずに引き継げる「事業譲渡による承継」

そこで活用したいのが、令和5年(2023年)12月の食品衛生法改正でより使いやすくなった「事業譲渡による承継」という制度です。

この制度の最大のメリットは、親族だけでなく「第三者(他人)」への譲渡であっても、既存の営業許可の有効期間をそのまま引き継ぎ、お店の営業を止めずにスムーズなバトンタッチができる点にあります。新規申請時のように「許可が下りるまで営業できない」という空白期間を作らずに済みます。

【重要】「承継すれば設備はそのままで良い」は間違いです

しかし、ここで非常に重要な注意点があります。 承継の手続きをすれば「古い設備のまま、ずっと指摘を受けずに営業できる」というわけではありません。

厚生労働省の通達(※)により、承継の手続きを行った後、原則として6ヶ月以内に保健所による「実地調査」が行われます。 ここで現在の施設基準に適合していない部分があれば、当然ながら保健所から改善の指導が入ることになります。 (※令和5年8月3日付 生食発0803第1号)

つまり、「承継」とは審査を免除する魔法ではなく、「営業を継続しながら、必要な改善を行っていく猶予がもらえる制度」と捉えるのが正解です。

最小限のコストで基準に適合させるサポートはお任せください

「結局、指導が入るなら同じじゃないか」と思われるかもしれません。 しかし、事前に指導のポイントを把握し、的確に対策を打っておくことで、無駄な出費を抑え、保健所からの信頼を得ながらスムーズに調査をクリアすることは十分に可能です。水栓の交換など、数百万といった大げさな費用をかけなくても、適切な改修で基準を満たせるケースがほとんどです。

私は行政書士として承継の法的手続きを代行するだけでなく、自身も寿司店を経営し、地域の組合の組合長を務め、さらに【食品衛生指導員】として店舗の衛生指導もおこなっております。 「保健所が実地調査でどこを見るのか」「現場の動線を邪魔せず、いかに低コストで基準に適合させるか」といった、厨房のリアルを熟知しているからこその実践的なアドバイスと対策が可能です。

「お店を誰かに譲りたい」「居抜き物件で新しくお店を始めたい」とお考えの方は、物件の契約や保健所に行く前に、まずは一度お気軽にご相談ください。営業を止めず、無駄なコストをかけない最適な事業譲渡をサポートいたします。

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